2017年7月7日金曜日

名作アニメの舞台裏 第1回【フランダースの犬】アフターレポート


2017年3月26日、東京工芸大学 中野キャンパス マイブリッジシアターにて、『名作アニメの舞台裏 第1回【フランダースの犬】』の講演が開催されました。



当日は、アニメの製作側の方だけでなく、フランダースの犬にリアルタイムで触れていた方、ご家族が作品を好きだったので思い出深いという若い方など、様々なジャンルの、沢山の聴講者が集まってくださり、大盛況でした。

講演会の前半は、フランダースの犬の51話『二千フランの金貨』と52話(最終話)『天使達の絵』を上映しました。

日本アニメ様よりお借りした、ハイビジョン映像をシアターでかけることにより、当時では気づき得なかった細やかな動きや色彩を、精細に描き出すことが出来ました。

51話『二千フランの金貨』は、出品した絵画が落選したネロが、パトラッシュと共に、失意のうちに雪道をさまよう物語です。ネロは雪道で、アロアの父コゼツが落とした全財産であり、展覧会の賞金よりもずっと沢山の金貨を見つけますが、善良で正直な彼は、それをアロアの家に届け、疲れ切ったパトラッシュを彼女に託して去っていってしまいます。ネロがいないことに気づいたパトラッシュは、アロアの家を飛び出し、彼を捜して雪の中をさまよいます……。

52話(最終話)『天使たちの絵』は、言わずと知れた最終回。好転の兆しが見え始めるも、既にネロの姿は村になく……ネロは追いかけてきたパトラッシュと共に、アントワープの大聖堂で、念願だったルーベンスの絵を目にし、その場で眠りにつきました。

会場内からは、すすり泣く声も聞こえ、フランダースの犬の物語の力が、今も強く人の心を揺さぶる事を、感じさせました。

休憩を挟んでから、『フランダースの犬』の監督・黒田昌郎氏と、絵コンテ・奥田誠治との講演が始まりました。



講演の中では、フランダースの犬にまつわる、様々な話が飛びだし、聴講者の皆さまは真剣な様子で聞き入っていました。アニメ本編のほとんどはオリジナルストーリーであり、ポールとジョルジュも、原作にはないオリジナルキャラクターではあること。それらが、ネロの少年としての生活、様子を描くために重要なエッセンスとなっていたこと。宗教的な側面。おじいさん、パトラッシュ、アロアのそろった幸福な時から、一つずつ要素が引きはがされ、終盤の展開へとつながっていく構成の妙。ネロの受容的な性格について……。

本編ではカットされた、最終話ラストの絵コンテを復元したものも登場! もしかしたら存在したかも知れない、ネロのその後について描かれた絵コンテに、聴講者の皆さまが興味を持たれていました。

最後には、質疑応答。アロアが舐めていたイチゴの飴についての質問や、制作に関わることなど、様々な側面からの質問が数多く出され、興味深い回答を聞くことが出来ました。


魅力的な物語を作り上げるために、丁寧に張り巡らされた、監督による設定・構成や、それを汲ん
で創られたシナリオ・絵コンテ、その制作の舞台裏をかいま見ることが出来ました。

『名作アニメの舞台裏 第1回 【フランダースの犬】』の講演は、沢山の方のご参加やご尽力をいただき、無事、大盛況のうちに終わることが出来ました。


アニメーションも、このような講演も、創り手だけでなく、広報や運営のお手伝いをしてくださったり、参加してくださる方、視聴してくださる方々によって、支えられ、存在することが出来ます。
関わってくださった皆様に、心より御礼申し上げます。

『名作アニメの舞台裏』講演では、これからも、名作劇場シリーズだけでなく、名作と名高い様々なアニメーション、その制作の舞台裏をのぞき込むことの出来る、意欲的な場を、創っていきたいと考えております。


今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。