2017年7月26日水曜日

[あにれくのあぶく] 23日は芦田豊夫氏の命日でした。七回忌になります。

23日は芦田豊夫氏の命日でした。七回忌になります。
2011年は友人知人との別れが続きました。
出崎 統、荒木伸吾、中村光毅、村野もりみ氏など。寂しい限りです。

2011年5月26日 日記(加筆)
「明日会えないか?」芦田くんからメールが来た。
午前中絵コンテを少しやって出かける。お茶の水は思ったより近かった。順天堂病院へ向かう。一階からエスカレーターで上がる。

エスカレーターの脇で待っている彼が目に入る。ちょっとむくんだか?
「オクダさん、山の上ホテルの経営だから美味しいらしいよ」
(あれ?オクチンじゃない。ちょっと改まった感じだな……)
初夏を思わせるような日差しの中で病院の見舞客でごった返す食堂。いつもなら気になる喧噪も静まりかえった印象で、放射線治療を終えた彼と、前庭神経炎のリハビリをかねてお茶の水まで足を伸した私とが、とりとめのないおしゃべりを楽しんだ。癌は脳に転移。ガンマ線で焼き切ったとのこと……ナプキンにその様子を描いてくれた。医者は天馬博士みたいだった。

彼は私の知らないあいだ頑張っていたのだ。地震の時はすでに入院していたらしい。病院は免震構造だが横揺れはするらしい。車輪の着いた冷蔵庫が病室の端から端へ滑って恐怖だったと。ベッドから脚を伸ばして押さえたとも。お互い笑いあった。
私の前庭神経炎が引き起こすめまい(回転性めまい)の説明をする。
「目の前に見えている映像の真ん中に虫ピンを刺して、それを中心にグルグルって回したみたいなんだ。よくアニメにあるみたいに!」も笑ってくれた。

私の病はウィルス性。一過性のものだった。それが妙に引け目となる。

多数の若手を育てた彼をほめる。いつになく素直に喜んでくれる。
その時、彼はもう覚悟していたのかも知れない。
大きなガラス窓から射し込む日差しに顔を向けて。
「オクダさん、希望はあるよな……」
「あるさ、希望は」
「また会おうな」
「また会おう!」
お互い照れたように笑って別れた。
それが話をした最後となった。

奥田 誠治

2017年7月21日金曜日

2017年6月25日 奥田誠治の絵コンテ講座 アフターレポート

2017年6月25日(日)、東京工芸大学 中野キャンパスにて、『奥田誠治の絵コンテ講座』が開催されました。
小雨がぱらつきつつも梅雨や初夏の辛さはなく、穏やかな気候の中で開催された講座には、プロや学生、外国の方も含めて、沢山の受講生が集まってくださいました。


12時を過ぎた頃、あにれくメンバーであり工芸大の教授である三善和彦先生より、諸注意や講座について説明された後、今回の講師である奥田誠治が登場。
自身の経歴でもあるアニメの歴史に触れてから、今回の講座の課題である『ウサギとカメ』『金の斧、銀の斧』について触れました。童話を元にしながら、自分のオリジナルの絵コンテを描く事について、アイデア例を交えて説明していきます。
そして、『最初の一本を描く事』が重要である事を、受講生に伝えました。

続けて、絵コンテの描き方についての解説に入ります。コンテ用紙の使い方にはじまり、イマジナリーラインや上手・下手の説明、カメラワーク・フレーミングの説明など、基礎から応用までしっかりと講義しました。
講義を受ける傍ら、今回配布した絵コンテ用語集をしっかりと活用してくださる受講生の姿も多く見られました。
その後、60分程度時間を取って、課題に取り組んでもらいました。絵コンテを描く意欲のある受講生の方々が多く、作業時間を追加。
20分の休憩を挟んで、選抜作品の講評と質疑応答に移りました。



いずれ劣らぬ力作ばかりの中から、4作品を選抜。それぞれの魅力や、今後どのように学び、工夫することでより良くなるか、奥田が講評しました。
今回選抜されなかった作品については、あにれくメンバーによる講評を付けた上で、サイトにアップロードさせていただきました。

http://www.anilec.info/2017/07/00-cb-httpsdrive.html

最後に、質問コーナー。
初めは照れもあってか、手が上がりづらかったですが、それぞれの質問や、それに答える奥田の様子に、段々と手が上がりはじめ、最終的に10前後の質問が寄せられました。
質問の中から、いくつか抜粋します。




Q.わかりやすい絵コンテを描くために、意識することは

A.絵を濃く描く、字を綺麗に書くようにしましょう。コピーに映りやすく、またアフレコ台本を作りやすいように心がけると良いです。また、秒数やカットNo.抜けなど、基本的なミスもなくし、パッと見て分かりやすいことも大切にするようにしましょう。


Q.カメラワーク・“間”の表現・台詞…に、悩みます
A.沢山作品を見て、引き出しをいっぱい持つようにしましょう。引き出しを増やすためには、好きなものを見、好きなことをすること。無理に増やそうとすると辛いだけです。
質疑応答で盛り上がる中、時間となったところで切り上げ、最後の挨拶をさせていただきました。
講座修了後、課題を回収。今回参加してくださった受講生のほとんどが、各々の魅力溢れる、ボリュームある作品を提出してくれました。
先に書いたとおり、あにれくスタッフによる、課題への講評はサイトにアップロードいたしましたので、受講生の方はご確認ください。

http://www.anilec.info/2017/07/00-cb-httpsdrive.html



穏やかな気候の中、熱い受講生の皆さまの意欲に触れ、あにれく一同も熱くなりました。
改めて、受講していただいた皆さまに、スタッフ一同御礼申し上げます。

今後もより魅力的な講演/講座
を開催して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。


2017年7月8日土曜日

『奥田誠治の絵コンテ講座』講評に関して。

先日、平成29年6月25日(日) 行われました『奥田誠治の絵コンテ講座』ですが多くの参加者が集まり熱心な実践講座となりました。改めましてご参加頂いた皆様には感謝致します。
さて予告通り実際にお書き頂いた絵コンテに関しては奥田氏をはじめ演出経験豊かなベテランアニメスタッフにより内容の講評をさせていただきました。
下記、各URLをクリック頂くと実際の絵コンテと講評がPDFにまとめられております(分割してありますのでご自分のお名前を探して頂ければと思います)どうぞ御覧ください。


■以下、奥田氏より皆様へコメント

講評の内容に関しては全て奥田が目を通しております。どの講評であっても奥田の意見から外れるものは有りません。

また、今回はあらかじめ課題が公表されていたため準備できた面も有るでしょうがそれにしても皆さん高レベルの出来だったと思います。
それぞれの才能を生かしてそれぞれの分野で活躍されることを期待します。

奥田誠治


○ 講評 00 担当:奥田
阿部哲治さん、青木あきさん、新井将生さん、有賀詩織さん、CBさん、フェブラリーさん、福島健太さん、服部琴子さん

https://drive.google.com/file/d/0B6skPVtqe4EraWR2UExzaDV2ZGc


○ 講評01 担当:神志那
林さん、ホニャ☆ララさん、細川晃佑さん、龐楠、イナバさん、イシダさん、亀田奈菜さん、金田貞徳さん、柏瀬青斗さん、加藤陽さん

https://drive.google.com/file/d/0B6skPVtqe4ErQ3hVWEF0OFNxUTg


○ 講評02 担当:福田
久保田秋太郎さん、喜多村奈央さん、倉橋知也さん、久保山陽子さん、久保山英一さん、倉田俊宏さん、倉内雄志朗さん、川崎真さん、牧野友映さん、許閔香さん

https://drive.google.com/file/d/0B6skPVtqe4Erb0Y1S2xmbkhBR0U


○ 講評03 担当:大和
宮崎真帆さん、百草園さん、ねこさん、西川雅史さん、野中雄太さん、ニャン太郎さん、野田祐司さん、小根澤誠さん、小野麻里奈さん、大友洋介さん

https://drive.google.com/file/d/0B6skPVtqe4ErTDhYeFRGZDBOalk


○ 講評04 担当:“あにれく”スタッフ
お湯さん、レイテンエイさん、林士翔さん、齊藤裕慈朗さん、ササキさん、佐藤正也さん、佐藤由貴さん、S.Cさん、せんばさん、シバタタクミさん

https://drive.google.com/open?id=0B6skPVtqe4ErblNKZHRFMmFTWjQ


○ 講評05 担当:奥田
篠原 陸さん、新谷有里英さん、サインなので不明(判読できず)さん、孫祥赫さん、鈴木良太さん、武本 心さん、玉置典彦さん、田村尚貴さん、田澤光太郎さん、テンホーさん

https://drive.google.com/open?id=0B6skPVtqe4ErSlBmejhnVWhTc28


○ 講評06 担当:大石
寺澤和晃さん、??豪さん(判読できず)、つしまゆりかさん、上原 亮さん、植田千湖さん、浦林智宏さん、やこさん、山添さん、ヤン・チャンジウさん、YSさん

https://drive.google.com/open?id=0B6skPVtqe4ErVTRLeE0xQzJGOWc

2017年7月7日金曜日

名作アニメの舞台裏 第1回【フランダースの犬】アフターレポート


2017年3月26日、東京工芸大学 中野キャンパス マイブリッジシアターにて、『名作アニメの舞台裏 第1回【フランダースの犬】』の講演が開催されました。



当日は、アニメの製作側の方だけでなく、フランダースの犬にリアルタイムで触れていた方、ご家族が作品を好きだったので思い出深いという若い方など、様々なジャンルの、沢山の聴講者が集まってくださり、大盛況でした。

講演会の前半は、フランダースの犬の51話『二千フランの金貨』と52話(最終話)『天使達の絵』を上映しました。

日本アニメ様よりお借りした、ハイビジョン映像をシアターでかけることにより、当時では気づき得なかった細やかな動きや色彩を、精細に描き出すことが出来ました。

51話『二千フランの金貨』は、出品した絵画が落選したネロが、パトラッシュと共に、失意のうちに雪道をさまよう物語です。ネロは雪道で、アロアの父コゼツが落とした全財産であり、展覧会の賞金よりもずっと沢山の金貨を見つけますが、善良で正直な彼は、それをアロアの家に届け、疲れ切ったパトラッシュを彼女に託して去っていってしまいます。ネロがいないことに気づいたパトラッシュは、アロアの家を飛び出し、彼を捜して雪の中をさまよいます……。

52話(最終話)『天使たちの絵』は、言わずと知れた最終回。好転の兆しが見え始めるも、既にネロの姿は村になく……ネロは追いかけてきたパトラッシュと共に、アントワープの大聖堂で、念願だったルーベンスの絵を目にし、その場で眠りにつきました。

会場内からは、すすり泣く声も聞こえ、フランダースの犬の物語の力が、今も強く人の心を揺さぶる事を、感じさせました。

休憩を挟んでから、『フランダースの犬』の監督・黒田昌郎氏と、絵コンテ・奥田誠治との講演が始まりました。



講演の中では、フランダースの犬にまつわる、様々な話が飛びだし、聴講者の皆さまは真剣な様子で聞き入っていました。アニメ本編のほとんどはオリジナルストーリーであり、ポールとジョルジュも、原作にはないオリジナルキャラクターではあること。それらが、ネロの少年としての生活、様子を描くために重要なエッセンスとなっていたこと。宗教的な側面。おじいさん、パトラッシュ、アロアのそろった幸福な時から、一つずつ要素が引きはがされ、終盤の展開へとつながっていく構成の妙。ネロの受容的な性格について……。

本編ではカットされた、最終話ラストの絵コンテを復元したものも登場! もしかしたら存在したかも知れない、ネロのその後について描かれた絵コンテに、聴講者の皆さまが興味を持たれていました。

最後には、質疑応答。アロアが舐めていたイチゴの飴についての質問や、制作に関わることなど、様々な側面からの質問が数多く出され、興味深い回答を聞くことが出来ました。


魅力的な物語を作り上げるために、丁寧に張り巡らされた、監督による設定・構成や、それを汲ん
で創られたシナリオ・絵コンテ、その制作の舞台裏をかいま見ることが出来ました。

『名作アニメの舞台裏 第1回 【フランダースの犬】』の講演は、沢山の方のご参加やご尽力をいただき、無事、大盛況のうちに終わることが出来ました。


アニメーションも、このような講演も、創り手だけでなく、広報や運営のお手伝いをしてくださったり、参加してくださる方、視聴してくださる方々によって、支えられ、存在することが出来ます。
関わってくださった皆様に、心より御礼申し上げます。

『名作アニメの舞台裏』講演では、これからも、名作劇場シリーズだけでなく、名作と名高い様々なアニメーション、その制作の舞台裏をのぞき込むことの出来る、意欲的な場を、創っていきたいと考えております。


今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

2017年5月10日水曜日

『奥田誠治の絵コンテ講座』が帰って参りました!!【Update06/29】

『奥田誠治の絵コンテ講座』が帰って参りました!!

こちらの講座は終了致しました。

7月10日(月)ぐらいを目処に講評を掲載致します。


あにれく主催としては3年ぶりの開催となる今回は、「君にも絵コンテは描ける!」と題して、実際に講座内で絵コンテを描いていただく実践型の絵コンテ講座です。
「絵コンテは描いてみたいけど、どこから手を付けていいのか分からない」
というあなた、まずは描いてみませんか?

本講座では、はじめに絵コンテの基礎知識を簡単にレクチャーした後、昔ばなし『ウサギと亀』『金の斧と銀の斧』をモチーフにして簡単な絵コンテを描いていただきます。
描いていただいた作品は、講師の奥田誠治氏をはじめ、あにれくスタッフが丁寧に審査・講評を行います。
実際に絵コンテを描き、評価してもらうことで「描いてみたい」から「どう描こうか」へとステップアップしてみませんか!

奥田誠治氏
HP:http://dreamhunter.jp/eikyukikan/index.html
ここで全仕事が確認できます。


2017年1月22日日曜日

名作アニメの舞台裏 第1回【フランダースの犬】(この講座は無事開催終了いたしました、ありがとうございます。)


この講座は終了しております

今回から始まる「名作アニメの舞台裏」は、これまで日本のテレビ史を彩ってきた数々の名作アニメを取り上げて、その制作の舞台裏で作り手達は何を考え、どんな思いを込めて作品を視聴者に送り届けようと努力してきたのかをご紹介することで、これまであまり光が当てられることが多くなかったアニメーション制作者たちの仕事ぶりに注目し、知って頂きたいと考えて企画したイベントです。

第1回目に取り上げるのは「フランダースの犬」。1975年1月15日~12月28日に、「世界名作劇場」シリーズの第1作としてフジテレビ系列で放送された作品です。シリーズ全52話の内、今回は第51話「二千フランの金貨」と第52話(最終話)「天使たちの絵」をハイビジョン映像でスクリーン上映し、シリーズ監督の黒田昌郎さん、絵コンテの奥田誠治さんに、制作の舞台裏についてお話し頂きます。

2017年1月16日月曜日

第3回 神志那弘志の実践パーツ講座【足編】 アフターレポート

2017年1月9日(月)に「神志那弘志の実践パーツ講座」の第3回、【足編】が行われました。

【手編】【腕編】に続いて、今回は足首から先のパーツ【足】にスポットを当てた講座です。朝から小雨がパラつく、あいにくの天気となりましたが、受付開始時間前から受講者が来場し始め、会場の東京工芸大学中野キャンパス2号館の席はどんどん埋まっていきました。年明けすぐの祝日ということもあり、参加者数が懸念されましたが、多くの受講者に集まっていただけました。

2017年1月5日木曜日

[あにれくのあぶく] 「植木金矢」展を見る

1219()「植木金矢」展を見る

江古田の喫茶店ぶなへ行き「植木金矢」展を見る。凄い!!!
中野からのバスはAnkamaで通い慣れた道を新井薬師を通ってゆく。「走馬燈」?このところこんな感じが多い。江古田駅に着いて迷いながらiPhoneをたよりに行く。旧ライブへの道もあり、懐かしい。商店街を行くと古めかしいパン屋がある。娘がマーガリンとイチゴジャムを塗ったコッペパンに興味を引かれる。(山崎パンの出来合いのものではない)帰りに買おうと約束して路地に入る。住宅地の中、こんな所に、小洒落たビル?の地階に「ぶな」は有った。


2016年12月23日金曜日

[あにれくのあぶく] 小田部羊一と『母をたずねて三千里』展へ行く  奥田誠治

12月1日(木)
小田部羊一と『母をたずねて三千里』展へ行く  奥田誠治

 日が暮れた四谷駅からタクシーで会場のイタリア文化会館へ向かう。
久しぶりに小田部さんに会えるのでワクワクしていた。娘も同行する。娘は小さい頃から奥様の奥山さんにも可愛がってもらっていた。

 行ってみて驚いた。懐かしい顔ぶればかりだ。主賓の小田部羊一さん、監督だった高畑勲さん主宰したアニドウの並木君、イラン・グエン君、写真家の南正時さんも懐かしい。AJA理事長の石川和子さん、旧理事の松谷さん(手塚プロ社長)にも出会えた。


2016年11月24日木曜日

『パーツ講座』の第3弾、開催 です!


「誤植ではありません! 」でおなじみ、『パーツ講座』の第3弾、開催
です!

絵を描くためには、その対象がどういう構造であるのかを理解し、頭の中で
再構築することが肝要です。
『パーツ講座』は普段見慣れているはずなのに、いざ描こうと思うと巧く
描けない、人体をパーツごとにスポットを当て、じっくり向き合って
みようという講座です。